難しいルールをパターン別説明。日本・ポーランドの二国間協定を活用しよう。

ポーランドと日本のパスポート トラベル情報

今日は前回の記事に引き続き、日本・ポーランド間で取り決められている”二国間協定”についてシェアします。

うまく活用できれば、ポーランド長期滞在の可能性がより広がりますよ!

では、さっそく〜

1. 日本・ポーランド二国間協定ってどんなルール?

このシェンゲンルールより優先される日本とポーランドの”二国間協定”とは、なんでしょうか?

それは、

“日本国のパスポートを持っている人で、主に観光目的でポーランド入国して連続して90日を超えない期間で滞在をする場合は、ビザ無しで入国・滞在が出来る。”

と、いうことです。

詳細や最新情報は外務省やポーランド大使館のHPを見てみてくださいね。

・シェンゲンビザと何が違うのか?

この二国間協定は、シェンゲンビザの”あらゆる連続した180日間で最大90日”の”180日間”はまったく気にしないもの、ということなんです。

つまり、例えば、ポーランドに入国をして90日連続で、ポーランド国内を旅行します。

その後、ポーランドから国境審査を経て出国し、3日後、またポーランドで入国審査を受ければ新たに最大90日間連続でポーランドに滞在できるんです。

2. 他国なら違法滞在も、ポーランドなら合法滞在に

・滞在パターンを考えてみよう

いくつか例をあげてポーランド滞在パターンを考えてみることにしましょう。

また、ここではそれぞれ実際の月日数にかかわらず、わかりやすく1ヶ月30日として考えるのと、

シェンゲン加盟国を”SG”ポーランドを”PL”、それ以外を”日本”と表記してますが、日本に限らずシェンゲン協定国外であればイギリスでもウクライナでもロシアでもどこでもOKです。

ポーランド日本二国間協定滞在パターン

・パターン4

前回の記事で説明したようにシェンゲンビザを利用したパターン3は、3月〜8月の180日間のうち、3月〜4月の2ヶ月(60日)&7月〜8月の2ヶ月(60日)、合計4ヶ月(120日)滞在してしまっているので”違法滞在”ということでしたが、

同じ条件でもポーランドに限って言えば、”合法滞在”となるわけです。

パターン4のように、二国間協定では、90日以内にポーランドを出国すれば次回入国する際に、滞在日数が新たに90日が自動で付与されるので、

  • ◯3月〜4月の2ヶ月間(60日)ポーランドに滞在したのち、シェンゲン圏外へ出国。
  • ◯新たに90日の滞在日数を獲得後、7月〜8月の2ヶ月間(60日)ポーランドに滞在したのち、シェンゲン圏外へ出国。
  • ◯新たに90日の滞在日数を獲得後、11月〜12月の2ヶ月間(60日)ポーランドに滞在したのち、シェンゲン圏外へ出国。

と、どれも合法的に滞在することができています。

・パターン5

考え方はパターン4と同じです。

このように12ヶ月(360日)のうち9ヶ月(270日)滞在することもできます。

  • ◯2月〜4月の3ヶ月間(90日)ポーランドに滞在したのち、シェンゲン圏外へ出国。
  • ◯新たに90日の滞在日数を獲得後、6月〜8月の3ヶ月間(90日)ポーランドに滞在したのち、シェンゲン圏外へ出国。
  • ◯新たに90日の滞在日数を獲得後、10月〜12月の3ヶ月間(90日)ポーランドに滞在したのち、シェンゲン圏外へ出国。

ポーランド日本二国間協定滞在パターン

・パターン6

シェンゲン圏内に90日間滞在したのち、一度シェンゲン圏外に出国して二国間協定を利用してポーランドに滞在することは“合法”です。

最初の滞在でシェンゲンビザを利用していても一度シェンゲン圏外に出国すれば、次回ポーランドに入国する際は、二国間協定が利用可能なので、新たに90日間の滞在ができます。

・パターン7

パターン6とは滞在場所がてれこになっているパターンです。

ポーランドで90日滞在したのち、一度シェンゲン圏外に出国してもポーランドを除くシェンゲン加盟国に滞在することは”違法”です。

最初にポーランドに滞在しているときにシェンゲンビザを利用しているので、この場合、次回シェンゲン圏内に”合法的”に入国できるのはポーランドを出国してから90日以上経ってからです。

・その他のパターン

表のように1ヶ月単位ではなく、1日単位で考えれば、以下のように滞在することも可能です。

  • 2月1日〜4月30日までポーランドに滞在し、
  • 5月1日〜5月3日まで日本に帰り、
  • 5月4日〜7月末まで最大90日間ポーランドに滞在。

・365日のうち360日はポーランドに滞在可能?

この二国間協定は利用回数に上限など指定されていないので、理論上は無限に繰り返すことができます。

90日間じゃ短期間すぎてポーランドを全部見て回れないという方や、ヨーロッパ周遊中だけどポーランドに行く前にシェンゲンビザ90日が終わってしまうなんて人は、この二国間協定をうま〜く利用する手はないですね。

3. 日本・ポーランド二国間協定を利用するには

前回の記事で日本・ポーランド間の二国間協定は、シェンゲンビザよりも優先されると言いました。しかし、シェンゲンビザが有効なうち(シェンゲン協定加盟国滞在90日以内)は、例えポーランド国内のみに滞在していようがいまいが自動的にシェンゲンビザを利用していることになります。

つまり、二国間協定で滞在許可を受けて入れば、シェンゲンビザが切れてしまっていても問題なしということです。

・二国間協定利用の際の注意点3つ!

①シェンゲンビザ(90日間)の滞在を終えた後、日本・ポーランド二国間協定を利用するため、一度シェンゲン圏外へ出国するときは、2泊3日以上シェンゲン圏外の別の国に滞在する。

シェンゲンビザでの連続滞在日数は、最大90日です。

例えば、90日目にフランス(シェンゲン加盟国)から隣国のイギリス(シェンゲン非加盟国)に移動することにしましょう。

このとき注意しなければいけないのは、2泊3日以上シェンゲン圏外で過ごさなければいけないということです。

1泊2日、例えば5月1日にフランスを出国し、イギリスで1晩過ごし、5月2日にポーランドに再入国する。

この場合、ポーランド出国日と再入国日が連続しているので、出国前の滞在日数と再入国後の滞在日数が合計されてしまいます。

よって最低でも2泊3日以上、ポーランドを離れる必要があります。

②二国間協定を利用してポーランドに入国するときは、ほかのシェンゲン協定加盟国を経由しない。

シェンゲンビザで入国するときと同じように、二国間協定を利用して入国するときにも、経由地か否かを問わず、一番はじめに足を踏み入れた国で国境検査を受けることになります。

なので、ポーランド以外の国を経由してしまうと、二国間協定を利用できず不法滞在とみなされる場合がありますので注意が必要です。

③二国間協定を利用してのポーランド滞在中は、他のシェンゲン協定加盟国には行かない。

シェンゲン協定は、該当国間での国境審査はありませんので二国間協定を利用してポーランドに滞在している間も、ドイツやチェコなど他のシェンゲン協定加盟国に移動することは可能です。

ただし、この二国間協定は日本とポーランド間のみで有効ですので、ドイツやチェコなど、そのほかのシェンゲン協定加盟国にいると不法滞在とみなされます。

そうならないためにも、二国間協定を利用してポーランドに滞在しているうちは、ポーランド国内に滞在するようにしましょう。

4. 日本・ポーランド二国間協定に100%保証はない?

日本とポーランドが正式に二国間協定を結んでいるからといって、必ず入国できるということは残念ながらありません。

理論上は出入国を繰り返して1年でも10年でもポーランドに滞在することは可能ですが、実際には、入国審査時に不審に思われ入国拒否される可能性もあります。

1年あたり1〜2回の利用であれば基本的には問題ないかと思いますが、ポーランドで何がしたいのかの説明や、滞在資金の証明などできるようにしておいたほうがいいかと思います。

もしそれ以上滞在する予定があるのなら、二国間協定を利用するのではなく、別にビザを取得するのが確実です。

・二国間協定を利用した入国の体験談

ちなみに、個人的な体験で恐縮ですが、

私は過去この二国間協定を数回利用してワルシャワ空港からポーランドに入国していますが、何か質問されるどころか、パスポートすらろくに確認されず入国許可が下りています。

100%入国できる保証はないからといって、必要以上に不安になるのはやめましょう。

違法なことをしようとしているわけではないので、何か聞かれても堂々と素直に答えることができれば問題ありません。

5. まとめ:在外日本大使館や在日各国大使館に事前確認が必須

今回は二国間協定の基本的なルールについてシェアしましたが、それぞれの旅程や事情によってこのルールが適用されるのかされないのかわからないこともあるかと思います。

インターネット上に書いてある情報も古かったり、間違っていたりすることもあるので少しでも疑問に思ったことがあれば、各国の在外日本大使館、または在日各国大使館にメールでも電話でもして問い合わせてみましょう。

また、今回シェアした情報は、国境管理官の判断次第ですので、あくまでも参考程度にして下さい。

それでは、また〜。

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