ポーランドを”東欧”と言うと嫌われる?その定義と歴史的理由!

ポーランドの平原 日本人の知らない世界

みなさん、こんにちは~。

私はここに来る前は、ポーランドは東欧だって思ってました。ただ、どうやらポーランド人はそうは思っていないようです。

今日は、ポーランドが東欧なのか?中欧なのか?それともどちらにも当てはまらないのか考えてみようと思います。

それでは、さっそく~。

1.”Heat of Europe”が大好きなポーランド人。

ポーランド人はポーランドは中央に位置していると言います。”Heart of Europe(ヨーロッパの中心)”なんて言い方が好きですね。どうやら東欧って呼ばれるのが好きではない模様です。

ただし、日本をはじめ多くの国がポーランドは”東欧の国”であると認識していますね。

30年前はポーランド人もポーランドは東欧に位置していると思っていたようですが、どうやら共産主義の離脱・民主化と同時にポーランド人のポーランドへのあり方が変わってきているようです。

2.そもそも東欧・西欧とは?定義って何?

何をもって”東欧”か”中欧”かを区別するかにもよるのか。専門家の中でも意見が別れているのが事実です。

そもそも西欧or東欧という区切りであって、”中欧”という概念は存在しないと考える人だっているでしょう。

ポーランドが東欧の国であるかどうかを理解するためには、地理的要素だけではなくて、歴史、文化まで考える必要があります。

そして、東欧のルーツが理解できれば、東欧or中欧の分類に対するポーランド人の考え方を理解することができるようになります。

・地理的分類

地図を見てもらえればわかるけれど、ポーランドはヨーロッパの”ど真ん中”に位置している。ハートオブヨーロッパたる所以ですね。

どこまでをヨーロッパとするかにもよるけれど、ロシアのモスクワくらいまではヨーロッパと考えて間違いないでしょう。(日本人はロシアの最東ウラジオストクなんかもヨーロッパにしちゃうくらいだからね~。)

一方で、国際連合による世界地理区分(wikipediaとか見てみてね)では、ポーランドは”東欧”に分類されている。(これによるとイギリスやバルト三国は北欧に分類される。個人的にはイギリスと北欧のイメージが一致しにくい・・・。)

だけど、この地理区分の問題点は中欧がないということ。中欧の概念のない分類であれば、ポーランドは東欧になってしまうのは必然でしょう。

・ 歴史的・文化的分類

地理的分類とは別に歴史や文化的な理由で”東欧”と”西欧”を分ける方法もあります。

簡単にいうと、旧ソ連支配下圏だった国々をまとめて”東欧”と定義することが多いということです。

またアメリカやカナダなどと食事や生活などの文化的な面で共通点が多い国を”西欧”と呼び、それに対比して旧ソ連(ロシア)の影響を多く受け、文化的な面でロシアとの共通点の多い国を”東欧”と呼ぶ場合もあります。

「東欧が好き=ちょっぴり田舎な素朴な国が好き」と考える人がいるのもこの分類によるものかなと。

・民族的分類

ヨーロッパには多種多様な民族が暮らしています。

彼らは独自の文化や言語・ルーツを持っていて、それらよって、北はゲルマン系、南はラテン系、東はスラヴ系と分類することができます。

ポーランドはスラヴ系民族国家であり、ゲルマン系民族のドイツ、オーストリア、スイスとは異なるため、”東欧”に分類されます。

3.なぜポーランド人は”東欧”とみなされたくないのか?

ポーランドの人々は旧ソ連支配下だった”過去”と”現在”を切り離したいと考えています。

ポーランドが民主化してから現在までの30年間、ロシアの影響から離れるために様々な努力をしてきました。NATOに加わったり、EU加盟国になったり。

現在ではポーランド経済は、ドイツやその他の西欧諸国(ロシアではなくてね)と密接に結びついています。あなたもポーランドに来ればその理由がわかりますよ。

フランス資本のスーパーマーケット、ドイツ資本のドラッグストア、イギリス資本のアパレルショップなどなど簡単に見つけることができますが、ロシア資本のものはそう簡単には見つけられません。

もちろんポーランド資本の店だってたくさんありますし。

その結果、今、普段生活している中で、ポーランドが東欧の貧しい国の一つだったということを感じることはほとんどありません。

地方に行ったり大通りから外れたりすると、未だに共産主義時代の建物が残っていたりすることもありますが、これらも近い将来、取り壊されて近代的な建物に生まれ変わるだろうと予想することができます。

4.まとめ:住んでみてわかるポーランド、生活水準は先進国と同レベル。

ポーランドは、東欧なのか、中欧なのか、はたまた西欧なのか。の議論はまだまだ続きます。また時代によっても変化してくるものでしょう。

ただ一つ言えることは、ポーランド人は、ヨーロッパのネガティブな歴史から遠ざかるために、自国が”東欧”と呼ばれるのが好きではないということです。

実際に住んでみても、ポーランドが貧しい国であるということは感じません。生活水準は先進国と同レベルで驚きますよ!

ただ、世界からの見方はポーランドはまだまだ貧しいイメージのある東側の国であって、歴史的経緯を完全に切り離すにはもう少し時間がかかるかもしれないですね。

もし、ポーランド人とこの分類について話す機会があれば、この記事の内容を思い出してください。きっとポーランド人の心理を理解する手助けになりますよー。

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